教養として学んでおきたい哲学 / 岡本 裕一朗

教養として学んでおきたい哲学 / 岡本 裕一朗


哲学というと、掴み所のない難しい印象を持たれておられる方もいらっしゃると思います。本著は、その哲学というものが何か確認し、どんなことをするのか、なぜ哲学を学ぶのか、そして哲学の歴史と現代社会での位置付けを優しく平易な語り口で記された入門書です。


哲学においては、「答え」を出すことよりも「問い」を出すことのほうが重要だと考えられます。自分や世の中が正しいと思っていたことに対して、本当にそれが正しいのかを疑うこと。それによって自分にとって大きな問いが生まれ、ことの本質に近いづいていくのだと思います。


ビジネスの世界でも、同じような思考が求められているのではないでしょうか。自らの仕事に疑問を持ち、本当に求めらていることは何か、そこに近づくためにはどうしたらよいか。答えを出すには時間がかかりますし、もしかしたら答えは出ないのかもしれません。それでも、その思考の痕跡は必ず自分の中に残っていくものなのだと思います。


「現代社会で哲学はどう役立つのか?」も印象的でした。哲学は具体的なスキルとして「何かのために役に立つ」という性質の学問ではなく、「何かのため」そのものを問い、「役に立つ」とはどういうことか自体を問うのが哲学だと著者は語ります。


万学の基となる哲学。その入門としてとてもわかりやすく、哲学のことや哲学的な思考のこと、哲学の歴史やプラトンやアリストテレスなどの偉大な哲学者についてご興味のある方におすすめです。巻末にはオススメブックガイドもついており、読後の展開も自身で拡げることができます。

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『CENTRE』は新栄の新しい本屋です。ひとりひとりの変革を支えることをテーマに、「もっと知りたい、もっと学びたい」という知的好奇心を刺激する書籍が、併設のカフェと共にお楽しみいただけます。