『鴻上尚史のほがらか人生相談』

著:鴻上尚史

もともとは朝日新聞出版から出ている『一冊の本』という月刊誌において、作家・演出家の鴻上尚史氏が読者の相談に答えていました。その回答がインターネットの「AERA dot.(アエラドット)」でも連載され、瞬く間に「神回答!」と話題になり、書籍化されました。

その相談の内容は、女子高校生からの「学校のグループ内で私は最下層扱い。本当の友達がほしいです。」や、50代男性からの「大学生の息子が俳優になりたいと言い出しました。人生を棒に振ってしまったらと心配で、私も妻も反対です。」さらに、40代女性からは「夫とは価値観が合わず、毎日一緒にいたいと思いません。結婚の意味ってなんですか?」などジャンルも様々です。

ですが、どんな悩みでも共通して言えることは、「悩みに直面することで、人生の大切な疑問と出会える」ということです。鴻上氏は「困難な状況やトラブルにあうことで、問題の本質がみえてくる」ことがあると言います。

悩みを抱えるということは、辛かったり、行き詰まっている状況であることが多く、ネガティブな気持ちになってしまいます。しかし、それだけ真剣に物事と向き合っている証拠でもあるのではないでしょうか。自分はなぜこうしたいのか、何のために今の状況を変えたいのか、問題の本質まで突き詰めるからこそ、新しい(今まで気づかなかった)考えにたどり着くことができるのだと思います。

そこで出した答えが上手くいっても、いかなかったとしても、自分で問題にしっかり向き合ったことが自身の成長へとつながると信じて、前へ進み、変わっていこうと思わせてくれる一冊です。

ぜひ、ご一読ください。

CENTREスタッフ 河合

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