CENTRE 1st Anniversary SESSION イベントレポート

CENTRE代表の中村でございます。

2021年7月3日土曜日、CENTREの開業1年を記念した『CENTRE 1st Anniversary SESSION』が開催されました。当日は晴天に恵まれ、開業史上一番のお客様入りとなりました。ご来場いただいたお客様に心より感謝申し上げます。


今回は、イベントの内容を振り返りながら、ご参加できなかったお客様へのご報告とともに、感じたことなどを書いていきたいと思います。


イベントの開始は午後14時ー。トークセッション用のセッティングは前日に行っていたため、本棚前にスピーカーが配置され、いつもの朝とは少し違う様子でしたが、モーニングタイムからランチタイムは通常営業が行われました。今回の『CENTRE 1st Anniversary SESSION』では、「入場料」や「参加料」という料金設定をせず「カフェ利用(ワンオーダー)」をもってその場にいていただければ参加可能の入退場自由なイベントとしました。これは、1周年の感謝の表現とともに、事前の告知や広告など関係なく当日たまたまその場にいらしたお客様もイベントに参加可能な形にしたいと考えてのことです。なので、イベントに対する認知がほとんどなくランチ利用をされたお客様は、驚かれることもあったかもしれません。今回のイベントは店頭や店内でのポスター掲示とともに、WebサイトやSNS(インスタグラム、ツイッター)、CENTREのLINE公式アカウントでもそのお知らせを行いました。広報面での組織的な動きは今後への課題が残っています。


イベント当日の7月3日より、1周年記念のアートワークをあしらったオリジナルの「栞(しおり)」を店頭にて配布いたしました。これは、CENTREのブランドロゴを手がけていただいた『kongcong』の千原誠さんのディレクションによるもので、1周年の「1」とCENTREが持っているブリティッシュな意匠、幸せそうにも物憂げにも見えるチワワが一人で本を読む姿を一体として、雰囲気のあるイラストロゴで表現していただきました。このオリジナル栞は、カラーごとに3種類準備させていただき、イベント当日以降レジでの商品注文時に1枚ずつお渡しさせていただくことで、延べ4日間程度で配布を終えました。お渡しさせていただいたお客様におかれましては、栞としてのみならず、スマートフォンのクリアケースなどに入れていただいて、お側においていただけますと幸いに思います。


定刻の14時、トークセッションの始まりです。「トークセッション」という冠をつけたのは、トークの台本を定めず、登壇者の胸のうちにあるものをシンプルに出していただきたい、普段の仕事に込めた想いであれば必ず表出するものがあるはずで、その場でしか起きない反応をストレートに出したい、それをお客様に聞いていただきたいという思いがありました。スライド等の投影を行わないのもその狙いの一つで、お客様には登壇されるゲストの皆様の表情を見て欲しいと思いましたし、その熱を伝えたいと考えていました。何が起こるか分からないけれど、セッション相手として信頼して預けられるゲストの方々にお越しいただけて、光栄に思います。


トークセッション①

株式会社コメダ コーポレートコミュニケーション室 係長 伊藤綾子様

全国チェーンとなったコメダ珈琲店ですが、メディア以外の公の場でメッセージを発すのはとても珍しく、貴重な時間となりました。

コロナ禍において多くの飲食店が影響を受ける中、「くつろぐいちばんいいところ」という店舗コンセプトと、お客様への安心感のある接客により、減少した来客は持ち直していることを語られました。木材内装や、コロナ以前より座席組間の目隠しパーテーションが高めに作られていることも、お客様の安心に繋がっているかもしれません。

ご登壇いただいた伊藤様は、コーポレートコミュニケーション室の在籍ということで、お客様とコメダを太く繋ぐコミュニティサイト『さんかく屋根の下』運営されています。そこでは、お客様同志の交流だけでなく、お客様の声が本部に直接届けられる仕組みや、本部との交流イベントなどが行われており、お客様と共にあるコメダの取り組みをご紹介いただきました。

コメダは創業50周年を契機に、『KOMEDA COMES TRUE.』を合言葉に、コメダらしいサステナビリティ活動を展開しています。それが本当にコメダらしく押し付けがましくない温度感であり、お客様がコメダを利用することで自然と地球に優しい毎日が拡がるようにテーマ付けされています。東京の東銀座では、コメダ初のプラントベース(植物由来)喫茶『KOMEDA is 「」(コメダイズ)』を出展しています(あのコメダがお肉を使わないのです!)。

コメダらしい新しい挑戦に取り組みながら、お客様と共にコメダ文化を繋ぎ、次の50年先へと向かうコメダ。伊藤様から明るい笑顔ではつらつと語っていただいたのが、とても印象的でした。

『コメダ珈琲店』

http://www.komeda.co.jp

『さんかく屋根の下』

https://komeda-sankaku.com

『KOMEDA COMES TRUE.』

http://komedacomestrue.komeda.co.jp

『KOMEDA is 「」』

https://www.komeda-is.com


トークセッション②

中小企業診断士 ITアーキテクト 梶村良一様

梶村様は、外資系大手IT企業にてクライアントのDX導入コンサルティングに従事されながら、中小企業診断士としてもその経験と幅広い見識でご活躍されています。私のような若輩中小企業診断士からすると梶村様は超有名人であり、ご登壇いただきとても光栄です。

梶村様からは、新聞や雑誌、書籍などで語られることの多い『DX』についてお話をいただきました。DXそのものは、「ITの浸透が人々の生活をあるゆる面で良い方向に変化させる」概念ですが、現在ではその概念を企業活動に移し事業計画にまで練り込むことで、人力では成しえない新しい価値を創造することが求められています。梶村様から、「CENTRE店内で10年前は存在しなかったものって何がありますか?」という素朴な問いに始まり、リアルの場でのIT活用の進化とコストの低下を感じさせていただきました。DXは「データ処理」というバックグラウンドだけではなく、飲食業や小売業でのお客様体験の進化にも大きく寄与しています。マクドナルドやスシローの例などを交えながら、システム構築する側の意見もお聞きすることができ、大変興味深くお話をさせていただきました。

マイナンバーカードの活用範囲が拡がるとともに普及を進めている日本ですが、欧米など諸外国などと比較して遅れている印象を受けながらも、確実に進んでいることは間違いなく、今後私たちの暮らしの中で企業や店舗との関わり、行政サービスの簡略化に向けてスピードアップしていくものと感じました。

梶村様のはっきりとした語り口に、お客様が引っ張られ、魅了されていたのがとても印象的でした。

『wikipedia デジタルトランスフォーメーション』

https://ja.wikipedia.org/wiki/デジタルトランスフォーメーション


トークセッション③

株式会社三洋堂ホールディングス 取締役副社長・上席執行役員 亀割卓様

株式会社三洋堂ホールディングス 社外監査役 三上友美恵様

最後のトークセッションは、東海エリアが地元であればお馴染みの三洋堂書店から、取締役副社長の亀割様、社外監査役の三上様にご登壇いただきました。

お二人は、開業当初の赤子のようなCENTREを気にかけてくださり、書店の偉大な先輩としていつも勉強をさせていただいております。その中で、開業1周年のイベントにご参加いただけたのはとても光栄に思います。

まずはお二人の三洋堂との関わりのお話から、「三洋堂書店とはどういう書店なのか」という出発点のお話を伺いました。亀割様は「青くさい」という表現をされましたが、そこに三洋堂らしい理念があり、これまでの道のりにうなずきたくなるような、熱いものがありました。ご興味が有られる方はぜひ三洋堂Webサイトの「コーポレートフィロソフィ」のページをご一読ください。痺れます。

『CORPORATE PHILOSOPHY 三洋堂グループの経営理念』

https://ir.sanyodo.co.jp/corporate/corporateprofile/concept/

そして、コロナ禍における出版業界の状況と、呼応する三洋堂書店の現在のお話を伺いました。コロナ禍は、日常に「外出自粛」という要素を与えるとともに、「自分や仕事と向き合う時間ができた」という変化もあるかと思います。その変化による一つが、「本を読む」ということ。新たな時代、新たな考え方、新たな知識、それらを得ようとする前向きな変化だと思います。三洋堂書店にとっては、リモートにより空洞化した都市部ではなく郊外に出店を進めていた店舗計画も幸いし、コロナ禍での三洋堂書店は好調に決算を終えたとのことです。

今後のお話の中では、資産としてのリアル店舗のスペース活用、新規事業の推進、そして大リニューアルを行ったWebサイトにより新しく生まれたウェブ三洋堂書店からの情報発信とお客様体験のリアル店舗へのフィードバックなどのお話を伺いました。いずれも人々の考え方の変化、デバイスの変化、情報の変化、エンターテイメントの変化に対応し、「ブックバラエティストア」としてさらに進化をする三洋堂書店の一端を感じることができました。

「社会をより良くする」という理念実現のための書店である三洋堂を、より身近に感じることができる貴重な時間になったと思います。

亀割様と三上様の落ち着きながらも熱い語り口に、自らの仕事を省みるきっかけとなったお客様も多いのではないでしょうか。

『三洋堂書店』

https://www.sanyodo.co.jp

『三洋堂ホールディングス』

https://ir.sanyodo.co.jp


トークセッションは計3本行いました。それぞれがそれぞれの思いを語ってくださり、業種・業態・役職や立場を超えて「自分の仕事を話す」ことのシンプルな力強さを感じました。お客様はメモを取ったり、まっすぐうなずいたり、質問をしたいような感じであったりと様々でありました。セミナーなどと違って、本棚を背にしたトークセッションは、その人柄がストレートに出るとともに、集中を高め、言葉の一つ一つが届いているような感覚もありました。登壇者の皆様も、お客様の反応を見ながらのトークということでライブ感たっぷりに楽しんでいただけたと思います。


本トークセッションは、CENTREの理念にも矛盾なく合致していると感じております。すでに行っているカフェや書店事業と共に、CENTREを表現する一つの事業として育てていきたいと思います。今後も、様々な思いで仕事をする方々をお招きして、臨場感のあるトークセッションを開催して参ります。ご期待ください。


ここで、トークセッションからライブへのセッティング変更があり、店内は一時休憩へー。


新栄という街にとって、音楽は欠かせないものです。そして、CENTREにとっても、私にとっても欠かせないものです。1周年を迎えたCENTREの今後を考えるにあたって、街との融合、音楽との融合、表現者との融合は必須だと考えていました。書店はメディア機能を持つ箱とも考えており、ノンフィクションを専門に扱うCENTREにとって、音楽やアート表現というその場で起きるリアルを発信することで、また一歩先に進むことができ、名古屋の新栄から新しい渦を起こすことができればと思っています。


『CENTRE 1st Anniversary SESSION』の締め括りは、愛知県を中心に活動するHIP HOPバンド『Cheat Jam Direction』に出演いただきました。

CENTREの本棚ステージに、ギターやベースアンプ、ドラムセットが運び込まれ、サウンドチェックが行われましたが、そのサウンドチェックの過程もお客様に臨場感を持って感じていただけるのも、CENTREでのライブの魅力です。

『Cheat Jam Direction』は、

MC OSA @osagraph

Gt Tamotsu LeftGroove @left_tamotsu

Ba Satojun @satojunjun

Dr Toshibow @kawai_toshibow_toshimichi

の4人組。HipHopやJazz、Funk、Rock、Popsなど、彼らが培ってきた様々な音楽的要素から浮き出るシンプルなバンドサウンドに、温かみと人間味のあるリリックがしっかりと響きます。


私は、HipHopの「音」と「言葉」が一体となって飛び込んでくる感覚がとても好きで、ラッパーの人生観がリリックに憑依し、その人生観の重みが聴く人の胸を捕まえるところに圧倒的な魅力を感じています。「言葉」の強さという面で「HipHop」と「本」は遠からぬものがあって、今回のイベントにHipHopアーティストに出演いただくことは必然であり、その魅力をお伝えする一助になればと考えました。


19時。MCのOSAより開演の一声。今回のライブではアンコール含め全8曲。

ファンキーで軽やかなビートと、ブルージーなギターソロが響く中、背中を押すような力強いラップが放たれました。最高でした!!!

SETLIST

1.音になる言葉群

2.テレビを見てた

3.Instagram from Tamotsu LeftGroove -with positive project (Cheat Jam Direction ver)

4.No Stay

5.高嶺の花

6.マイノリティー

7.宴

8.Central Jams Park


コロナ禍によってこれまでの活動がままならないアーティストが多い中、アーティストも、オーディエンスも、私のように場を作って応援する立場の人間も、全ての音楽を愛する人が求めるものは何かを、再認識する時間になったと思います。

今後もCENTREは、縁ある全てのミュージシャンに対して、このステージを使っていただきたいと思っています。ぜひ一緒に新しい発信をしてみませんか?


イベントは大盛況のうちに全てのパフォーマンスを終えました。

最後にお客様の前で、私から少しだけお話させていただきました。

CENTREの1年は私の1年であると同時に、開業から支えてくれたスタッフの1年でもあります。最大数のお客様に対して、大きな混乱なく乗り切ってくれたスタッフの成長に心から感謝と尊敬をしています。これも、1年分の積み重ねがないと実現できなかったと思います。


1年間で、CENTREは新栄という街の一部になれたと感じています。

いつもご利用いただくお客様に、心から感謝申し上げます。

これからの1年は、より価値あるCENTREの実現のため、万里一空の境地を求めて突き進みたいと思います。


今後ともご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。

CENTRE ■新栄の本屋+カフェ■

『CENTRE』は新栄の新しい本屋です。ひとりひとりの変革を支えることをテーマに、「もっと知りたい、もっと学びたい」という知的好奇心を刺激する書籍が、併設のカフェと共にお楽しみいただけます。