『僕の隣で勝手に幸せになってください』
著:蒼井ブルー
著者の蒼井ブルーさんは、文筆家であり、写真家です。SNSで綴られるつぶやきが若い世代や女性を中心に共感を呼び、自身初のエッセイ集となる本著の出版に至りました。クスッと笑える表現から、ハッとさせられるもの、時にはじんわりきてしまう言葉など、蒼井さんならではの優しい世界観がたっぷり詰まった「独り言」がまとめられています。
「独り言」ということもあり、一文一文はとても短いのですが、ストレートな表現だからこそ心に刺さるものばかり。
短い文で伝えたいことを表現するのは、簡単なようでとても難しいことです。それは、無駄なものは削ぎ落としながらも、伝えたい大事な部分はしっかり残す必要があるからだと思います。
私は言いたいことを伝える時、どうしてもあれもこれもと詰め込んでしまいがちです。上手くまとまらない時は、余分なものはないかな?と一度俯瞰し、引き算をしてみるタイミングなのかもしれないと思いました。
そしてなんと言っても、本著には蒼井さんの可愛らしい言葉のチョイスや感性の高さがつまっています。誰もが経験し得る瞬間、とはいえ形容し難いその時の感覚を、蒼井さんならではの優しい言葉で表現してくださっています。
本文より私の好きな一文を紹介します。
「自分のこと後回しにしてまで人にやさしくするような人に
この世の全ての幸せが降り注いで欲しい。」
この言葉選びは、まさに蒼井さんの優しいお人柄と繊細な感性を感じられるものでした。蒼井さんが常に他人のことを気遣いながら日々を過ごされているんだろうなと。
これはまだまだ一部に過ぎず、もっと素敵な「独り言」がたくさん綴られています。そして、読み終わった後は大切な人に会いたくなります。今ある幸せに目を向けて、周りの人にもっと優しくなりたい、そう思わせてくれます。
一度に読んでしまうのが勿体無いほどで、寝る前に温かい飲み物を用意して、一文ずつ味わいながら読んでいただきたい、そんな一冊です。
ぜひ、ご一読ください。
CENTRE スタッフ 河合
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